診療案内

胆膵グループ

胆膵グループの主な診療

長崎大学消化器内科の胆膵グループは、胆道および膵臓に関わる多種多様な疾患に対して、最新の知見と高度な技術を駆使した診断・治療を行っています。胆石症や胆嚢炎、急性・慢性膵炎などの良性疾患から、胆道癌、膵癌といった悪性腫瘍に至るまで、幅広く対応しています。
膵胆道領域の疾患は、症状が現れにくく発見が遅れることも多いため、当グループでは内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)などの専門的検査を積極的に活用し、早期診断・精密評価に努めています。難易度の高い処置が求められる場面では、内科・外科・放射線科・病理と密接に連携し、集学的治療体制のもとで患者さん一人ひとりに最適な医療を提供しています。

特に進行胆膵癌に対しては、内視鏡治療を中心に、臨床研究にも積極的に参画し、治療成績の向上を目指しています。また、膵癌の早期発見のために膵嚢胞のフォローアップを積極的に行い、MRIやEUSでスクリーニングを行っています。自己免疫性膵炎やIgG4関連疾患といった希少疾患にも対応し、正確な診断とステロイド治療などの専門的治療を行っています。
胆膵領域は、治療に高度な専門性と迅速な判断が求められる分野です。当グループでは、地域の中核医療機関としての使命を果たすとともに、全国レベルの診療・研究拠点を目指し、日々研鑽を続けています。

ご紹介頂く医療機関の先生方へ

本邦における膵臓がんの死亡者数は年々増加しており、2023年には年間死亡者数がついに4万人を超えました。がんの種類別死亡者数においては、胃がんを上回り、肺がん・大腸がんに次いで第3位となっています。
当グループでは、こうした悪性胆膵疾患の早期発見と早期治療に取り組んでおり、CTやMRIといった従来の画像検査に加え、**小病変の描出に優れた超音波内視鏡(EUS)**を積極的に活用しています。当院では、コンベックス型・ラジアル型いずれのEUSも常備しており、患者さんの状態に応じて柔軟に使い分ける体制を整えています。
また、良悪性胆道狭窄による閉塞性黄疸や胆管炎・膵炎に対しては、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を用いてドレナージ治療を実施しております。当院ではさらに、胆道鏡および電気水圧衝撃波による結石破砕装置(EHL)も完備しており、胆道がんの進展範囲の診断や巨大総胆管結石を含む難治性胆石症の治療にも対応可能です。
合併症が多く高度な技術が必要である内視鏡的十二指腸乳頭切除術については、ご紹介いただいた患者さんを中心に治療適応を見極めたうえで治療をおこなっています。
さらに、胆管・膵管へのアプローチが困難な症例や、腹腔内の嚢胞や膿瘍を認める症例に対しては、Interventional EUSによる治療を行っています。当院は、膵臓用瘻孔形成補綴材であるHOT AXIOSの使用が可能な施設であり、**被包化膵壊死(WON)**などの治療にも対応可能です。
今後も、最新の知見と先進的な医療機器を駆使し、より質の高い胆膵疾患の診療を提供してまいります。
引き続き、ご指導ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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